コンデンサの小型大容量化のために誘電体材料のチタン酸バリウムをどうすればもっと小さくできるのか? コンデンサの小型大容量化のために誘電体材料のチタン酸バリウムをどうすればもっと小さくできるのか?

若き探Q者たち社員インタビュー

堺事業所 堺開発部 触媒グループ
(2015年入社)

Y.S.

自然科学研究科修了。2015年入社。大学時代は粒子の分散と凝集の制御に関する研究に取り組んでいたことから、紛体やスラリー原料による製品を取り扱う堺化学で自身が修めた学問を実践に活かす。堺事業所堺開発部触媒グループ所属。

profile

ペットボトル、衣服の繊維素材、そしてコロナ禍により世界的に需要が高まったマスクなど、ポリエステル樹脂は今や私たちの暮らしのどのようなシーンにおいても欠かすことのできない化合物。しかし、そこに使われる触媒のなかには人体への影響が懸念されるものが含まれていることが判明している原料があり、使用量は世界的に厳しく規制されつつある。この難題に挑む堺化学の当事者を紹介したい。

あなたが立ち向かうQ(課題)は何?

人体にやさしいポリエステル重合用触媒の開発

社内でつくられる、ポリエステル重合用触媒の品質が顧客の要望を満たす水準に達しているかどうか、予算や納期に応じて求める数量を提供できるかどうかといったことを確かめるため、数100グラム単位の小規模なラボ実験から数トン単位の大規模なパイロット試作までを滞りなく進めることが私の業務内容です。
ポリエステル重合用触媒は原料に重金属のアンチモン触媒が多く含まれているのですが、この重金属は人体への影響が懸念されていて、それに代わる触媒として期待されているチタン触媒の品質を高めることを課題として取り組んでいます。

Qを解くために、どのようなことをしていますか?

あらゆる観点から問題点を早期抽出

世界的に見て、ポリエステルの中でもペットボトルなどの原料となるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂の重合にアンチモン触媒が使われている割合は現在9割以上に達するとも言われています。その理由は樹脂の透明度の高さ。ペットボトルの透明度は、アンチモン触媒の性質に依拠しているのです。
一方、チタン触媒のような重金属フリー触媒は、若干ながら黄色味が強くなってしまうことがネック。私たち触媒グループでは自社開発の重合評価設備を構築することでサンプルごとに異なる評価値を蓄積しながら、樹脂メーカーをはじめとした顧客とエンドユーザーにアンチモン触媒と変わらない品質を提供できるよう、この課題点の克服に日夜取り組んでいます。
他部門と連携して知見を共有し、原料、設備、工程などあらゆる観点から品質を見直すことで、問題点を早期に抽出できることも少なくありません。実験や試作の際は必ず現場に足を運び、担当者の実感を次回に反映できるよう心がけています。

堺化学だから叶う、私の方程式

少数精鋭×信頼感
=質の高い経験値を獲得!

入社前までは、関連する分野を学んできたという自負が自分の中に少なからずありました。しかし、いざ現場に立つと学問と実践の違いに戸惑いを覚えたことも正直なところ。それでも入社から1年と経たないうちにラボの実験を任され、3年目には海外顧客との折衝も経験することができ、周囲に期待される喜びが、未知の領域に踏み込む際の不安を取り除いてくれたと感じています。
これからもさらなる研鑽を積み、堺化学が世界規模の需要をまかなうに足る企業へと成長するための一翼を担う存在であり続けます。

「国内外の旅行」

ハワイに行ったとき、人が多く集まる観光名所やショッピングセンターももちろん楽しめたのですが、それよりも何気なく目にする自然の美しさ、海と大地の色合いの鮮やかさに感銘を受けました。台湾を訪れたときは、観光客がほとんどいないような飲食店に恐る恐る足を踏み入れ、そこで出されたスープの摩訶不思議な味が衝撃的でした。
北海道では海の幸をこれでもかと堪能。お寿司屋さんで食べたカニの刺身のとろけるようなおいしさが舌と脳と心に今も刻まれています(笑)。

TIME SCHEDULE
  • 8:30

    出社。現場に赴くことも

  • 9:00

    ラボ実験、パイロット試作の指示

  • 10:00

    資料作成

  • 12:00

    昼休み。昼食はお弁当持参

  • 13:00

    先輩や他部署に話を聞き情報収集

  • 14:00

    ラボ実験、パイロット試作の進捗確認

  • 15:00

    ミーティング、実験結果の解析

  • 18:30

    退社

行動力と発信力を磨き、
当事者意識をもって周囲に情熱を伝播。